プロジェクションマッピングは既存の建物等の投影物がある場所に下見に行き、プロジェクターをどのように投影するかなどの検証を行える場合が多いが、投影物自体が新規に造られる場合(主にイベントや新規建築物でのオープニング等)、もちろんそれは事前に出来ない。
更に造作物の製作とCG、動画製作が並行して進む事が多い為3D上でのプロジェクション検証及び動画制作の為のテンプレート作りが実際にモノができる前に必要となってくる。(このあたりのフローについては現場、会社毎にマチマチな為、人によって理解度が全く違うという印象である)
今回はそのような一例として昨年ファッションブランドMaxMara(マックスマーラ)の特別企画「I LOVE MAX MARA」内で同社の近年の主力商品「テディベアコート」を縮尺を合わせた非常に精密な約5mの造作物に対してのインタラクティブなプロジェクションマッピング映像を360度投影する為にプロジェクションの3D検証をご依頼いただいた件で事例を紹介する。
今回は実際のコートを3Dスキャンするところからプロジェクトは始まり、3Dモデルが出来たあとも何度も検証→レイアウト変更→クライアントチェック→変更と、3D上で判断していける事が非常に大きなクオリティアップに繋がっていった。
平面図を元に3D空間を作成し、投影位置の検証を行った。今回は造形に襟の部分等どうしても影がでるエリアが発生してしまい、どれだけ違和感なく減らせるかという投影位置の選定を求められた。
もちろん会場のプロジェクター設置可能の位置というものも考慮せねばならず、技術者との連携は必須であると思う。(実際に会場下見に行った際、PC片手にリアルにPJを置く位置を見ながら3D上のプロジェクター位置を変え画角検証を行えた)
最終的に投影位置を入れ込んだFBXデータをそのままCG製作サイドに渡し、書き出しをしてもらった。
現場ではタイトな時間での調整を求められたが、事前の3Dシミュレーション通りのであったため360度の複雑なマッピングにも関わらず
非常に効率的な調整を行うことが出来た。
静止画でもこの立体感
実際の動画はCG製作を手がけられたLILさんがアップされているので映像を是非ご覧いただきたい。
LIL http://www.lil.vision/
今回はプロジェクトの規模も大きかった為、沢山の会社様が入られており、それぞれの専門技術が存分に発揮できるよう円滑に全体が進むよう尽力されていた方が非常に多く、水準の高いとても素晴らしいプロジェクトに参加させていただいた。
同時に感じたことがハードとソフトを繋ぐ3D検証の必要性が今後更に出てくるであろうし、クオリティを上げていくためには如何にプロジェクトの早い段階で現場のイメージを得ることができるかどうか、イメージを共有しながらプロジェクトを進めれるかどうかが鍵になっていくのではないか、我々もそのようなソリューションをスムーズに提供してゆきたい。